イノベーション・・・・経営者が喜ぶ言葉?
2017.2.4
かなり以前から、ハーモナイゼーション、選択と集中、グローバリゼーション、リーダーシップ、ダイバーシティ等々外国で流行った言葉を出せば、経営者が喜ぶというか、安心するというかが時代により、変わってきている。今はイノベーションという言葉が、そのような流行言葉のようである。流行とは関係なく、それらについては常に考慮して実践している経営者は、いる。流行言葉を求める人は、自分が無能だといっているようなものではないだろうか?例えば、ダイバーシティは、イノベーションにとって、ある意味で必要だと思うが、日産のカルロス・ゴーンは多様性を抱えるだけでは十分ではなく、どうすればそれぞれの力を一つにまとめ、眠っているものを最大限に引き出すことができるかが重要であるといっている。経営者であろうがなかろうが、大事なことではないかと思う。
ドラッカーが1984年に「イノベーションと起業家精神」という本を書いて、1997年にはクリステンセンが「イノベーションのジレンマ」という本を書いて破壊的技術という言葉を用いた。私自身は破壊的技術の意味が必ずしも分かっていないが、携帯電話は、ずっと昔から小型化、高性能化を目指してきたが、いろいろなコンテンツを入れたスマホは、携帯電話の延長ではないし、40年くらい前のミニコンピュータより、小形で高性能である。人間社会にとって便利なものは、その分野の専門家が予測するより速い速度で進歩することは、確かなようである。インターネットや、遺伝子組み換えの技術等は、その例ではないかと思われる。
昨年の終わりごろから、IoTに引続き、AI(人工知能)のセミナー、シンポ等が盛んに開催されている。IoTやAIの進歩により、社会的構造や産業構造が大きく変わろうとしている。従来は、技術進歩は、経済の良い効果をもたらすと考えられていたが、AIの発達により、労働問題まで大きく影響を与えることが予測されている。昨年、AlphaGo(アルファ碁)」と、韓国のプロ棋士イ・セドル氏が相まみえた五番勝負は、イ・セドル氏が第四局で一矢を報いたものの、4勝1敗でAlphaGoの圧勝に終わった。囲碁については、まだまだ人間には勝てないだろうといわれていたので囲碁を知らなくても多くの人は、AIのこわさを感じ取ったと思われる。
一方でガートナーの顧客には10個の誤解があるといっている(ネットでガートナー*人工知能で検索すれば見ることができる)。科学技術を正しく理解することが重要で、理解するためには勉強することが大事である。 IoT、AI技術等の発達、進展、変遷が、人間社会にとって、より良くなるような貢献をすることを期待したい。 波瀾千丈
イノベーションを語る前に
波瀾 千丈